(※1)『終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅』第1巻
コミックス版『終わりのセラフ』の前日譚。百夜優一郎の上官にして恩人にあたる一瀬グレンの物語。

──集英社の連載が始まった時点では、講談社の方も小説版『終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅』(※1)がスタートすることは決まっていたんですか?

栗田:決まっていました、漫画版の連載が始まった時点で。

:小説版の第1巻は、漫画第1話のジャンプSQ.掲載時には、半分描き上がってたんじゃないかな?

小菅:2話目掲載時くらいでしたかね。

:少なくとも、プロットはあったと思います。2話目の段階で既にグレンが登場しているので、多分小説版第1巻は描き終わっていたと思います。

栗田:実は小説の方も、どんなストーリーにするか、直前まで話し合っていまして……。グレンを主人公の話にするって決まったのは、その話し合いが始まってから、終盤の方でした……。最初は、「《池袋》の日本帝鬼軍の話はどうですか?」などと提案していました。

──ジャンプSQ.のキャラクターとは連動性のないキャラクターを主役に立てようとしていたんですね?

栗田:はい。漫画と小説で設定は連動しているんですけど、主人公としてはまったく違うキャラクターを立てる形ですね。漫画の舞台である「渋谷」とは違う都市、例えば「池袋」を舞台にして、優一郎たちとは直接関係のないキャラクターで話を進めるスタイルです。それはそれで、面白そうなんですが……。実際は、グレンを主人公にして正解だったと思います。

:グレンの過去が増えていくから、ジャンプSQ.と同時に書いていくのは、すごく難しいですけどね。

一同:(笑)。

:ある程度はあらすじを決めているんですが、「キャラクターのセリフはこっちの方がいいな」って思ったりすると、筋が変わっていくんですね。話を変えてしまうと未来にすごく影響するんで……。だから、漫画との整合性を取ることが難しくならないように、バランスを取り合いながら書いてます。漫画版は漫画版で、読んでわかるようにしなければならないし……。

小菅:そこが難しいですよね。

:やりがいはありますけどね。

──確かに、漫画版から読んでグレンを知ると、「これは絶対小説版を読まなきゃダメだな」って思いますよね。二つで1セットと、いい意味で感じます。

:そう思っていただけるとありがたいです。

──グレンの物語と、その8年後の百夜優一郎の物語を同時に描こうと思われたのはいつ頃ですか?

:いつ頃かというのは覚えてませんが、かなり早い段階で、プロットは出していたと思います。

栗田:グレンのプロットは、いくつかいただきましたね。

:でも、漫画版の第1話が確定するまで、グレンのキャラは大人になったり子供になったり、大変でしたね(笑)。

小菅:グレンは、今よりもうちょっと若かったですよね。

:それとは別に、ミカエラがグレンの役割を担っているバージョンもありました。

小菅:ミカエラがグレンのようなお兄ちゃんで、優一郎を導く、逃避行モノですね。

:本当に、悩みました……。最終的に「鏡先生が一番やりたいことはなんですか?」って聞かれて、今の形になったんです。紆余曲折あって、1年半かけて書き溜めはできなかったんですけど、一番いい1話目ができてよかったですよね。

小菅:僕は途中から担当になったので、なんで15稿も書いているんだろうと思いました。

:1年半って、なし崩しじゃないと、絶対できないカロリー(仕事量)ですよね……。たぶん、最初から「1年半かけてください」って言われたら、その仕事は受けないと思います。それがなんかできちゃったのは運が良かったです。

小菅:でも、漫画の脚本に手こずったのは3話目くらいまでですよ そこからは、コミックス第1巻が出た段階で、アニメ化の話が数社から来るほど好評で、結果うまくいったから良かったですね。

(※2)『終わりのセラフ』コミックス 第8巻
通常版と併せて、ドラマCD同梱版が同時発売された。

(※3) 『終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅』第5巻
講談社ラノベ文庫から発行されている、小説版『終わりのセラフ』最新刊。
コミックスとの同時発売は一巻以来。実に二年三か月ぶりのことである。

:コミックス第1巻は、小説版第1巻と同時に発売できましたしね(※2)(※3)。

栗田:発売日を一緒に合わせられたんですよね、1月に。

小菅:漫画の連載が小説より数か月早くスタートしたので、コミックスの発売にタイミングを合わせたんです。この時しか同時に出てないんですよね、作画の山本ヤマト先生の負担が凄すぎて……。なので、久しぶりに4月に同月発売できるのは、アニメも始まるタイミングですし、良かったです。

:久しぶりにタイミングが合ったというより、僕の小説の原稿が間に合ってなかったんですけどね……(苦笑)。