(※1)TVアニメ『終わりのセラフ』第1弾キービジュアル
今回の『終わりのセラフ』をはじめ、『進撃の巨人』や『鬼灯の冷徹』など数々のヒット作を手掛けた気鋭のアニメーション制作会社。

──アニメは、基本的に漫画版『終わりのセラフ』のストーリーを描いているんですよね?

小菅:そうですね。しかも、漫画版の脚本を鏡先生が一年前倒しで書いています。

:今日締切りですよね、後で作業します(苦笑)。

小菅:アニメプロデューサーの強い希望で、「できる限りオリジナル展開を入れたくない」ということで、そういう作戦をとりました。

:「いけるでしょ?」みたいな感じでしたよね(笑)。

──アニメの脚本はもう完成しているんですか?

:脚本はもうすぐ全話上がりますよね。やっぱり早くから脚本がある方が、作品のクオリティが上がりますからね。

──もう、アニメを鑑賞されていると思いますが、ご感想は?

栗田:一瀬グレンがイケメンですね(笑)。

小菅:すごく手ごたえを感じています。制作会社のWIT STUDIOさん(※1)がかなり熱を入れてくれているので、クオリティは相当高いものになっていると思います。

──逆にアニメの徳土大介監督は、原作漫画を読んだ感想を何とお話ししていましたか?

:「優一郎とミカエラがロミオとジュリエットみたい」って言ってましたね。二人が分かれても、劇的に再会するというところに漫画の中心軸があって。なのにそれと並走して、グレンが小説版『終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅』の主人公として物語が展開して、これはすごいな、と。両方に感情移入して書いてますからね。

──「グレンの方が優一郎よりかっこいい」という意見も現場では出ているとか。機会があれば、グレンの話もアニメで見てみたいですね。

:是非!

栗田:漫画版のアニメ化が成功すれば、その可能性は高まるかもしれませんね。アニメを1本作るのは、大変なことですから……。第1話のアフレコを見た時も、みんなでウルッときてましたね。

:あの時は感動しましたよ。

栗田:漫画の第1話ですからね。

:あと思ったのが、漫画版はやはりアニメにしやすいということです。各話に「お題」があるので!

──「お題」、ですか?

:はい。これは、小菅さんとも話し合い、すごく意識している所なのですが、漫画と小説って、作り方が結構違うんですよ。特に月刊誌は、読者もひと月空いてしまうので、各話ごとに起承転結があるように作ることを強く意識しています。各話ごとに必ず「ミッション」(つまり「お題」)を設け、一話としてきちんと楽しめる構成にしています。

小菅:単行本でも同じことが言えます。実は漫画版第6巻くらいまでは、必ず巻末の話に、優一郎とミカエラが出てくる構成になっているんです。

栗田:それに関して、鏡先生が意識されていたという話は聞いた覚えがあります。「優ちゃんとミカの話なんだ」って、鏡先生が口癖のようにおっしゃってましたよね。

:要所要所に出てきて、読者が「どうなっちゃうんだろう」って思うようにしてましたね。やっぱり『終わりのセラフ』は、二人の運命の話だと思いますんで。

小菅:『終わりのセラフ』をやっていて、編集として思うのは、漫画も小説も、まだ一番面白いところを、書いていない。まだこれから面白くなるんじゃないかって担当をしてても思うし、期待しちゃうところですよね。やってて楽しいです。まだ、開けていない扉も、開きそうで開かないですし(笑)。

:各キャラクターが立つように作品を作っているので、開ける扉がすごく多くなりそうですよね(苦笑)。

──キャラクターといえば、漫画版において人気ってどのような感じなんですか?

小菅:おそらく、グレンはトップクラスの人気じゃないかと思います。おそらくというのは、人気投票をやっていないんですよ。人気投票をすると、作品が終わっていく印象があるので、しばらくやりたくないんですよね(笑)。

──何となくストーリーが人気投票の影響を受けてしまうイメージがありますよね。

小菅:だから、イラスト人気投票みたいな企画はニコニコ静画さんと組んでやりますけど、それは、みんなが描いた『終わりのセラフ』のイラストをポイント投票するというものですからね。あくまでイラストの人気なので、その結果を連載に反映させるということは、ないと思います。

:もしキャラクター人気投票をしたら、1位は誰でしょうか。優一郎ですかね? ミカはどうしても、メインストーリーに出づらい立ち位置ですし。

栗田:たまにしか顔を出せないキャラですからね。吸血鬼側を描かないと、ミカも描けないという。

:シノアも人気ありそうですよね。男女に嫌われないキャラだから。

栗田:たしかにそうですね。小説版はグレンが一番ですかね?

:というか、グレンしか書いてないからね。グレンと柊深夜が2トップでしょうね。

栗田:いやいや。美十ちゃん(十条美十)もいいキャラしてるし、可愛いですよ!

:僕の作品の中で『終わりのセラフ』は、ダントツで女の子が可愛い作品ですからね。

(※2) 『終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅』第2巻 P175
一瀬グレンと共にチームを組んでいる女性たち。右から、雪見時雨、十条美十、花依小百合。

──小説版だと、グレンがとんでもないハーレム状態ですよね(※2)?

:そこでバランスをとってるんですよ。グレンがある程度、ハードボイルドの立ち位置になるから、物語が進行すると女性陣が全然いなくなるんですよ、僕の作品って。だから、意識的にバランスをとっているんです。最初書いた時点では、時雨は男でしたからね。そういう意味では、時雨を女にして良かった。

栗田:初めて小説版1巻の口絵を見た時、「僕の作品とは思えないくらい女の子が居る」って、鏡先生おっしゃいましたよね?

── (笑)。最後に、今後の「セラフプロジェクト」に対して、一言お願いします!!

:アニメ化するに当たって、新しい出会いがあって、音楽や映像などに対して新たな発見をする日々です。僕もまだまだ若いので(笑)、楽しく勉強しています。周囲のすごい人たちの刺激を受けて、毎日うまくなるな……と思いながら書いています。これからは小説や漫画はもちろん、アニメの方もぜひ応援よろしくお願いします!